校長ブログ

姉妹都市交流

2026.01.23 トレンド情報

1月23

 近年、関西24県で進む姉妹都市交流の広がりをあらためて見つめると、「国際連携は市民生活と教育に確かな価値をもたらす」という事実を強く感じます。自治体国際化協会によれば、関西では122自治体が299件の姉妹・友好都市提携を結び、全国平均を上回る積極性を示しています。国際都市としての歴史を持つ神戸、文化的発信力の大きい京都を中心に、多様な都市が海外との協働を深めています。

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 特に印象的なのは、神戸市と米シアトル市の取り組みです。1957年の提携から65年を経て、2022年には市長と民間企業による訪問団が現地を再訪。その対話が、マイクロソフトのAI活用拠点の誘致へとつながりました。国際交流が単なる「友好」ではなく、地域の産業創出に結びつく好例です。開設から1年で約40社がAI導入に向けた実践を進めており、専門人材の育成も今後の重要なテーマとなります。

 京都市の姿勢もまた、国際都市としての矜持を感じさせます。パリ、西安、そしてウクライナのキーウを含む9都市と協定を結び、文化・教育分野の交流を継続してきました。ロシアの侵攻後には迅速に寄付を呼びかけ、これまでに約11400万円の支援が集まりました。特に地下避難所で重宝された使い捨てカイロは、すでに76万個を届けています。2025年には両市の首長がオンラインで被害状況を共有し、支援のフェーズを物資から復興・経済協働へと移行しつつあります。市民の善意を基盤に、教育・ビジネスの両面で持続的な関係を築こうとする姿勢は、持続可能性を体現しているように思います。

 一方、大阪府池田市のように、オーストラリア・ローンセストン市との関係を「ウォンバット」を通して長年育む自治体もあります。動物親善大使として贈られた3頭を起点に、日本初の繁殖を成功させ、「ウォンバットの日」には多くの市民が集います。表面的にはユニークな取り組みに見えますが、「市民の情緒・文化を豊かにする交流」という意味では、国際理解教育の原点のようにも感じます。

 こうした事例を俯瞰すると、姉妹都市交流の本質は、国レベルの外交とは異なる「顔の見える関係性」にあります。子どもたちが異文化を学び、地域企業が海外と協働し、市民が温かい支援を届ける。その積み重ねが、地域社会をゆっくりと、しかし確実に変えていきます。

 国際連携を教育現場にどう接続するかということは学校現場の大切なテーマです。姉妹都市の取り組みを教材化し、探究学習と結びつけることで、生徒たちの世界とつながる力を育てることができると確信しています。