校長ブログ

英語教育を考える㊺-英語4技能5領域

2026.02.18 教科研究

2月18日

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校長:今日は、学習指導要領で示されている英語の「4技能5領域」について、改めて考えてみたいんだよ。学校現場ではよく「5領域全部をしっかり扱うのは大変です」という声を聞くんだけど、実はこの構造こそが英語教育の本質を示しているんだね。

大学生A:4技能は分かるんですが、5領域になるとイメージしにくくて...どう整理すればいいんでしょうか?

校長:前提として、4技能は「聞く・読む・話す・書く」だよね。そして学習指導要領では「話す」が二つに分かれていて、「やり取り」と 「発表」に分類されている。この区別が非常に重要なんだよ。つまり、英語で「話す」といっても、相手と双方向でやり取りする力と、自分の考えを論理的にまとめて伝える力は、性質がまったく違うんだね。指導上も認知プロセスが異なるという視点を持つことが大切なんだ。

大学生B:授業でこの2つを自然に扱うのは難しく感じます。どうすれば統合的に育つんでしょうか?

校長:授業デザインの流れを意識すれば自然に育つよ。例えば、前半はペアでの質問と応答を中心にした「やり取り」を行う。そして後半は、そこから得た情報を整理して自分の考えをまとめ、クラスに向けて「発表」する。このインプット →気づき、理解、内在化、統合の認知プロセス→ アウトプットの循環は、第二言語習得研究でも重要視されているよ。技能を分断するのではなく、身体化された経験として統合していくことがポイントだね。

大学生A:確かに、技能を分けて教えるより流れの中で扱う方が自然ですね。

校長:そうだよ。学習指導要領の本意も、あくまで統合的な言語活動なんだよ。英語は「科目」ではなく、「ツール」だからね。ツールとして使う場面があって初めて意味がある。だから、聞く・読むだけで終わらず、思考しながら表現する経験を積ませることが教師の役割だと考えているんだよ。

大学生B:大学入試でも、読むだけでは対応できない問題が増えていますよね。

校長:そうだね。今の大学入試は、思考のプロセスが重視されているよ。英語の文章や資料を読み、自分の意見を英語でまとめたり、提示された課題に対して合理的な理由づけを行ったりする問題が増えてきた。つまり、社会でも大学でも、もはや4技能の偏った学習では立ち行かない時代なんだよ。

大学生A:オンライン協働学習も、5領域をすべて扱う場になっているんですね。

校長:まさにそう。ICTを活用した遠隔協働は、実際に相手が存在する状況で言語活動を行うから、4技能5領域をリアルに統合する経験になるんだよ。子どもたちは「伝わるかどうか」を実感するから、学習動機づけの質も変わるんだね。これはDX高校としての大きな強みでもあるよ。

大学生B:最後に、校長先生が考える5領域の本質を教えてください。

校長:5領域という仕組みは、単に技能を細分化したものではないよ。私はこれを英語で世界とつながるためのプロセスと捉えている。聞き、読み、やり取りし、発表し、書いて整理する。この一連の流れは、思考・コミュニケーション・表現の統合的な営みだよ。これを日々の授業の中で重ねていくことが教師の専門性じゃないかな。