校長ブログ
海外進出するコンテンツ産業
2026.02.11
トレンド情報
2月11日
日本のアニメーションやゲームといったコンテンツは、今や世界の多様な文化圏に受け入れられ、国境を越えて共感を生む存在となりました。2023年のコンテンツ産業の海外売上高は5.8兆円。鉄鋼や半導体といった日本の伝統的な基幹産業を上回り、この10年で3.7倍という伸びを示しています。まさに、文化が経済を動かす時代に入ったと言えるのではないでしょうか?
政府はこの流れを確かな成長軌道へと乗せるため、2033年には海外売上高を20兆円規模へと拡大する目標を掲げています。これは自動車産業に迫るスケールであり、日本が新たな強みとして文化産業を捉え直している証でもあります。コロナ禍の巣ごもり需要を契機に動画配信が一気に広まり、世界に届けるためのインフラが整ったことも大きな後押しとなりました。
特に成長を牽引しているのがオンラインの家庭用ゲームとアニメで、産業全体の7割を占めています。電子コミックや映画の海外展開も確実に増加しており、日本発のストーリーと表現力は世界的な評価を得ています。
一方で、この巨大市場を支える肝心の「人材」が圧倒的に不足しているという深刻な課題があります。文化庁は若手クリエーターの作品発表支援、国際ビジネス人材の育成、実践的プログラムの整備を三段階で進めています。また、アニメーターやゲームプログラマーなど、制作現場の即戦力育成のために66億円規模の予算を投じ、大学・専門学校のプログラム拡充や最新機材の導入を支援する方針です。これらを3年間継続し、体系的な育成基盤を作るということです。
世界の競争環境を見ると、日本が依然優位な分野がある一方、PC・スマホゲームでは中国、映像分野では韓国が存在感を高めています。日本がこれから巻き返すためには、クリエーター育成と現場環境の改善に本気で向き合う必要があります。また、海賊版による被害は2兆円規模といわれ、国際的な連携のもと、法執行力の強化は避けて通れません。
教育に携わる立場として感じるのは、コンテンツ産業の課題が、そのまま「人を育てる」という根源的な問いに戻ってくるということです。創造性を高める学び、表現を支える基礎力、そして国際的に活躍できる語学力と協働力。学校現場でのカリキュラムづくりとも深くつながっています。
文化が世界をつなぐ時代。日本の未来を支えるのも、やはり"人"です。教育の現場から、次の時代のクリエーターを支える土台をつくっていきたいと強く思います。