校長ブログ
大学の学力試験の年内実施
2026.02.16
大学進学研究
2月16日
近年、総合型選抜・学校推薦型選抜といった「年内入試」で、学力試験を課す大学が増えてきています。日経の調査によれば、2025年度以降に新たに導入する大学は53校。既に導入済みの大学と合わせると、全体の約半数に到達します。かつて文科省は高校生の負担軽減の観点から、年内入試での学力試験を認めてきませんでした。しかし、大学側の入学後の学業不振を避けたいという課題意識と、受験生を早期に確保したいという戦略が、制度の潮流を大きく変えています。
一方で、調査書・推薦書・面接・小論文などを組み合わせるという建前は維持されているものの、実際には62%の大学で、学力試験の配点が最も高い方式があるという結果が示されました。つまり形式上は総合型でありながら、実質的には一般選抜の前倒しと見なされるケースが増えているわけです。高校現場サイドがこうした動きを懸念しつつ、注視していることは事実です。
ただ、この動きそのものを一面的に否定できないように思います。むしろ、高校での学びと大学で求められる学力の接続が曖昧なまま、総合型選抜が拡大してきた構造的課題が、今まさに顕在化しているのではないでしょうか?基礎学力が十分に身についていないまま大学に進む学生が一定数存在するという大学現場が抱えてきた切実な声でもあります。大学が基礎学力の確認を求めるのは、決して不自然ではありません。
重要なのは、高校側・大学側の双方が「育てたい学生像」を共有し、そのために必要な学力・資質をどのような組み合わせで評価するのか、丁寧な対話を積み重ねていくこと。学力試験の比重を高めるのであれば、その理由と意図を明確にし、生徒に不必要な負担を強いない設計が求められます。一方で高校も、探究活動・主体的学習・協働的学びの質を高めつつ、学力の基盤を確かなものにしていくことが不可欠です。
年内入試の姿が変わりつつある今こそ、学校現場は、評価のための学びではなく、学びの質を高める評価を再構築しなければなりません。高校と大学が協働して、接続をよりよいものへと磨き上げる。本質は、常にその先にいる子どもたちの未来にあります。その視点を失わず、これからの入試改革を見つめていきたいと思います。