校長ブログ

昭和101年、時を創る

2026.04.18 教科研究

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4月18

 2026年が始まりました。新しい年の入り口に立ち、若者たちはどのような夢を思い描いているでしょうか?まだ輪郭のはっきりしない空想のような夢でも構いません。大切なのは、その夢を実現するために、今年を準備の年として位置づけることです。自分だけの時を創る人生への旅は、ここから始まります。

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 留学、進学、就職、スポーツや研究での挑戦など、夢の形は人それぞれ。もし思い浮かばなければ、先輩や友人の話に耳を傾けてみてください。対話の中で、自分の考えを確かめ、少しずつ道筋を描いていくことができます。夢は一気に実現するものではありません。一段ずつ階段を上るように、準備を積み重ねていくものなのです。

 今年は昭和101年にあたります。戦争の廃虚から立ち上がり、経済大国へと成長した昭和の時代には、未来を考える多くのヒントがあるはずです。戦後80年を振り返ると、おおまかに二つの時期に分けられるます。復興から高度経済成長、バブル崩壊までの約50年。そして、その後の「失われた30年」と呼ばれる時代です。

 最初の50年、人々は「追いつき追い越せ」を合言葉に、豊かな暮らしを目指して必死に働きました。集団就職で都会に出た若者たちは、昨日より今日、今日より明日をよくしようと汗を流しました。一方、バブル期には、次に超えるべき目標を見失った面もあったように思います。

 失われた30年の中で、社会全体が夢を語りにくくなりました。その時代に育った若者が、失敗できないという重圧を感じてきたのも無理はありません。人生に備えて何をすればよいかと問われることがありますが、答えは年長者が一方的に示せるものではありません。若者同士が語り合い、悩み、考えること自体が次の一歩を生み出します。

 AIが大きな味方になってくれることは疑う余地がありません。しかし、答えを出すAIに任せきりではいけません。どんな問いを立て、どの答えを選ぶのかは人間の役割です。AI時代だからこそ、哲学や倫理、歴史といったリベラルアーツが重要になります。研究力は人間のためにあるという視点は色褪せることはありません。

 予期せぬ変化に備えるために、二つの習慣を勧めます。一つは、情報を読み、社会の未来を想像すること。もう一つは、他者やAIの助言も参考にしながら、自分で考え抜くことです。さらに、社会との接点を持ち、多様な人と語る経験が、人を見る力を育てます。

 今年は、自分の夢を形にするシナリオを描いてみませんか?AIを活用しながら、自らの人生を切り拓く。その一人ひとりの情熱こそが、新しい日本を創るエネルギーになると確信しています。