校長ブログ

生成AI活用の現在地と未来ー大学の場合

2026.04.17 EdTech教育

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4月17

 大学における生成AI活用が、いよいよ大きな分岐点を迎えています。日経の全国調査では、すでに6割の大学が授業や教材作成にAIを取り入れ、成績評価や入試に踏み込む例も現れています。一方で、4割の大学は「不正利用への懸念」や「思考力の低下」を理由に、検討段階にとどまっているとのこと。(日経、2025.12.9)この違いが、数年後の大学力の差につながることは想像に難くありません。

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 興味深いのは、活用している大学であっても「全学的に実施している」と答えたのは2割に満たない点です。つまり多くの大学では、まだ一部の教員の挑戦にとどまっているのが現状です。

 不正利用の増加は確かに看過できません。しかし、それを理由に立ち止まるのか、明確なルールづくりと指導を通して前に進むのか。この選択が教育機関としての姿勢を決定づけます。AI利用の申告制を導入した大学があるように、適切なガイドラインづくりこそが質の高い学びを支えると考えるのは私だけではないと思います。

 企業の活用実態を見ると、日本は米英と比べ、AIを単なる効率化の道具としてしか使えていないケースが多いと言われます。慎重姿勢のままであれば、社会全体の変革力も高まりません。学生が卒業後に直面するのは、AI活用が前提となった世界です。教育の使命は、未来を生きる若者の力を最大化することにあります。

 だからこそ、大学には「積極的な活用」と「丁寧なリテラシー教育」の両立が求められます。生成AIを恐れるのではなく、学びの質を高めるテクノロジーとして正しく位置づける。その判断こそ、これからの教育力・研究力を左右する分岐点になるのではないでしょうか?