校長ブログ

見直される日本語指導

2026.07.29 グローバル教育

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7月29日

 文科省の調査によれば、日本語指導が必要な児童生徒は全国で8万4759人となり、この10年でほぼ倍増したとのこと。また、そのうち約1割の子供たちが十分な指導を受けられていない現状も明らかになりました。これは、もはや一部地域だけの問題ではありません。全国の学校の4割に、日本語指導を必要とする子供が在籍している時代です。

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 この状況について、外国籍児童生徒への個別対応という枠組みだけで捉えるべきではないと考えます。むしろ、日本の学校教育そのものの在り方を問い直す重要なテーマだと思っています。

 特に大きいのは、母語の多様化です。かつては限られた言語への対応が中心でしたが、現在は中国語、ポルトガル語、ベトナム語、ネパール語、フィリピノ語など、多様な言語背景を持つ子供たちが学校に通っています。つまり、従来のように一部の担当教員が対応するという仕組みだけでは、すでに限界が来ているのです。これからの学校には多文化共生型カリキュラム・マネジメントが不可能となります。

 日本語指導を特定の担当者や教科だけに委ねるのではなく、学校全体で設計する。その視点が不可欠です。例えば、授業での「やさしい日本語」の活用、視覚的支援、ICTによる翻訳サポート、ピアサポート、保護者との多言語コミュニケーションなどは、すべて学校経営の中核に位置付けられるべきものです。

 その意味で、今回、文科省が生成AIやICT活用を本格的に打ち出したことには大きな意義があります。生成AIは単なる「便利ツール」ではありません。教師不足が進む日本社会において、教育機会の格差を縮小する可能性を持っています。例えば、授業プリントを多言語化する、保護者向け文書を翻訳する、子供の理解度に応じた日本語教材を生成する、といったことは、すでに現実的な段階に入っています。

 もちろん、AIだけで教育は成立しません。最終的に子どもを支えるのは、人と人との関係性です。しかし、教員が子供と向き合う時間を確保するためにも、AIを活用して業務負担を軽減する発想は必要です。

 また、「プレクラス」の全国整備にも大きな意義があるのではないでしょうか?来日直後、日本語だけでなく、日本の学校文化そのものに戸惑いを感じる子供たちも少なくないはずです。時間割、掃除、給食、集団活動―日本の学校には独特の文化があります。そこへの橋渡しを丁寧に行うことは、不就学や孤立を防ぐ上で極めて重要です。

 これからの学校は、同質性を前提にした教育モデルから異なる文化や言語背景を持つ子どもがいることを前提に、教育をデザインする時代に入っています。私は、多文化化は日本の学校にとって負担ではなく、教育を進化させる契機だと考えます。

 多様な子どもたちが共に学ぶ学校は、結果として、日本人の子供たちにとっても豊かな学びの場になります。だからこそ、日本語指導は一部の専門家だけの仕事ではなく、すべての学校・すべての教師が向き合うべき教育課題なのです。