校長ブログ

SNS時代に必要な自律と対話

2026.07.18 学校生活

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7月18

 国立病院機構 久里浜医療センター の全国調査によれば、SNSの利用を自分でコントロールできず、「病的使用」が疑われる10代が7.0%に達していることが明らかになりました。20代では4.7%、40代以降では1%未満であり、若年層ほど依存傾向が強い実態が浮かび上がっています。

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 調査では、「使う時間を減らそうとしてもうまくいかないことがあったか」「費やした時間について両親や友人にいつもうそをついていたか」など九つの質問を行い、5項目以上に該当した場合を「病的使用の疑い」と判定しています。問題なのは、該当する子どもたちの多くが、平日でも長時間インターネットを利用し、休日には6時間以上使用する割合が60%を超えている点です。 

 SNSやインターネットは、学びや交流の可能性を大きく広げる一方で、使い方を誤れば子どもの心身に深刻な影響を及ぼします。近年では、SNSを通じた犯罪被害や誹謗中傷だけでなく、精神的不調との関連も指摘されています。国立精神・神経医療研究センターの研究では、ネットの不適切利用が続く10代は、抑うつや妄想的症状のリスクが大きく高まることが報告されています。特に女子生徒では抑うつ傾向が強まる可能性が示されており、学校教育としても看過できない課題です。

 海外に目を向けると、オーストラリア では16歳未満のSNS利用を禁止する法律が施行され、フランス や マレーシア でも規制の動きが進んでいます。日本でも総務省やこども家庭庁が議論を進めていますが、単に「禁止する」「制限する」という発想だけでは、本質的な解決にはつながりません。

 教育現場で本当に必要なのは、「デジタルをどう使うか」を子ども自身が主体的に考える力を育てることです。SNSは今後の社会において不可欠なインフラであり、完全に切り離して生きることは現実的ではありません。だからこそ、家庭と学校が協働しながら、「何のために使うのか」「どのような危険があるのか」「自分の生活や健康をどう守るのか」を対話的に学ぶ必要があります。

 同センターは、スマートフォン利用に関する家庭のルールとして、「購入前に約束を決める」「使用時間や場所を定める」「違反時の対応を明確にする」「長期休暇中に注意する」「保護者自身が模範を示す」ことを挙げています。重要なのは、ルールを一方的に押し付けることではなく、子どもと一緒に考え、納得形成を図ることです。

 学校教育においても、情報モラル教育を単なる注意喚起に終わらせてはなりません。自己管理能力や他者理解、メディアリテラシーを含めた「生きる力」として位置づける必要があります。SNS時代の教育に求められるのは、禁止ではなく、自律を育てる教育です。そしてその基盤となるのは、子どもとの日常的な対話なのだと考えます。