校長ブログ

英語教育を考える72:スピーキング力は運用力で伸びる

2026.08.19 英語教育

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8月19

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校長:今日は、英語スピーキング力をどう伸ばすかについて、第二言語習得研究の知見も踏まえて話してみようか。

2生:お願いします。私は単語や文法は勉強しているのに、なかなか話せるようになりません。

校長:それは珍しいことではないんだよ。実は第二言語習得研究では、知っていることと使えることは別の能力だと考えられているんだ。

2生:別なんですか。

校長:そうだね。例えば文法問題で正解できても、会話の中で瞬時にその文法を使えるとは限らないんだ。英語スピーキングでは、知識を瞬時に引き出して運用する力が求められるんだよ。

2生:だからテストの点数が高くても話せない人がいるんですね。

校長:その通りだね。Stephen Krashen は、大量の理解可能なインプットが言語習得の基礎になると説明しているんだ。

2生:インプットというと、読むことや聞くことですね。

校長:そうだね。ただし最近の研究では、インプットだけでは十分ではなく、アウトプットも重要だと考えられているんだ。特に Merrill Swain のアウトプット仮説は有名だね。

2生:アウトプット仮説というのは何ですか?

校長:簡単に言うと、話そうとして初めて自分の弱点に気づくという考え方だよ。頭の中では分かっているつもりでも、実際に話そうとすると語彙不足や表現不足が見えてくるんだ。

2生:確かに、話そうとすると言いたいことが出てこないことがあります。

校長:それが学習のチャンスなんだよ。だからスピーキング力を伸ばすには、インプットとアウトプットの循環が大切なんだ。

2生:具体的には何をすればいいですか?

校長:まず音読だね。音読は単なる発音練習ではなく、英語の語順やチャンクを身体化するトレーニングなんだ。

2生:チャンクというのは何ですか?

校長:言葉のまとまりのことだよ。例えば "I'd like to..." "One of the reasons is..." のような表現を塊として覚えるんだ。流暢な話者は単語を一つずつ組み立てているわけではないんだよ。

2生:なるほど。フレーズごと覚えるんですね。

校長:そうだね。そして音読した後に内容を見ないで要約する。これをリテリングと言うんだ。

2生:それはかなり難しそうです。

校長:少し難しいくらいがちょうどいいんだよ。教育心理学では、そのような適度な負荷が学習効果を高めると考えられているからね。

2生:英会話の機会が少ない場合はどうしたらよいですか?

校長:独り言がおすすめだね。実は脳科学の研究でも、頻繁な想起と使用が記憶の定着を促進すると考えられているんだ。

2生:どんなことを話せばいいんですか?

校長:「今日は部活動がある」「明日のテストが心配だ」など、自分の日常を英語で表現してみるんだよ。大切なのは完璧さではなく継続なんだ。

2生:間違えても大丈夫ですか?

校長:もちろんだよ。むしろ間違いは学習に不可欠なんだ。第二言語習得研究では、試行錯誤を繰り返しながら言語体系を構築していくと考えられているからね。

2生:スピーキング力が高い人は特別な才能があると思っていました。

校長:そう思われがちだけれど、研究を見ると必ずしもそうではないんだ。継続的なインプットとアウトプット、そして振り返りのサイクルを回した人が伸びているんだよ。

2生:今日のお話を聞いて、英語は知識の量だけではないことが分かりました。

校長:その気づきはとても大切だね。英語スピーキング力とは、覚えた知識を実際のコミュニケーションで使えるようにする運用力なんだ。毎日の音読、リテリング、英語独り言を積み重ねれば、必ず成長できるよ。

2生:今日から実践してみます。

校長:ぜひ続けてほしいね。英語は教科でもあるけれど、本来は人と人をつなぐ言葉なんだ。研究が示しているのも、結局は「使った人が伸びる」というシンプルな事実なんだよ。