校長ブログ

飛鳥・藤原の世界文化遺産から学ぶ

2026.09.10 教科研究

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9月10日

 飛鳥・藤原の宮都が世界文化遺産に登録されたことは、日本にとって大変喜ばしいニュースです。しかし、この登録の本当の価値は、「世界に認められた」という結果だけではありません。そこに至るまでに、日本の歴史や文化を「世界の視点」で語り直したことに、大きな意義があるのではないでしょうか。

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 世界遺産として評価されるためには、日本では有名だからという理由だけでは十分ではありません。人類の歴史の中でどのような役割を果たしたのか、アジアやユーラシアとの文化交流の中でどのような意味を持つのかという、より広い視点から価値を示すことが求められます。これは、私たちの教育にも通じる考え方。日本の良さを知るだけでなく、それを世界の人々に伝え、対話できる力こそが、これからの時代に必要な資質です。

 今回の登録では、飛鳥・藤原の宮都を「国家形成」という世界共通のテーマで位置付けたことが評価されました。個々の遺跡ではなく、それぞれを一つのストーリーとして結び付けることで、普遍的な価値が見えてきたのです。教育においても同じことが言えます。知識を断片的に覚えるのではなく、それらを関連付け、自分なりの物語として理解することで、本当の学びが生まれます。

 また、登録はゴールではありません。オーバーツーリズムへの対応や景観の保全、地域住民の暮らしとの調和など、多くの課題があります。さらに、地下に眠る遺構をVR3DDXの力で「見える化」し、新たな価値を創造する取り組みも始まっています。文化財を守るだけでなく、最新の技術を活用して未来へつないでいく発想は、まさに持続可能な社会づくりそのものです。

 印象的だったのは、文化財の活用は観光だけではなく、教育や地域への誇り、いわゆるシビックプライドを育むことが重要だという指摘です。自分たちの地域の歴史や文化に誇りを持つ子どもは、自分自身にも誇りを持つことができます。そして、その誇りを世界へ発信できる人こそ、真のグローバル人材と言えるでしょう。

 世界遺産は過去を保存するためだけの制度ではありません。歴史を学び、現在を見つめ、未来を創るための財産です。飛鳥・藤原の宮都の登録を機に、私たち一人ひとりが地域の文化や歴史に目を向け、その価値を次の世代へつないでいくことの大切さを改めて考えたいと思います。教育の使命もまた、世界を知り、地域を愛し、未来を切り拓く人を育てることにあるのです。