校長ブログ

SNS時代に育つ子どもたち―つながる力と考える力をどう育むか

2026.09.02 学校生活

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9月2日

 スマートフォンとSNSは、子どもたちの日常に深く入り込んでいます。世界中の人と瞬時につながることができる一方で、その利便性の陰には、教育現場として見過ごすことのできない課題もあります。

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 近年の脳科学の研究では、思春期にSNSを頻繁に利用する子どもほど、「いいね」やコメントなど他者からの評価に対して脳の報酬系が敏感になる可能性が指摘されています。思春期は感情や承認欲求をつかさどる領域が大きく発達する時期ですが、一方で理性的な判断や自己制御を担う前頭前野はまだ発達の途中です。そのため、他者からの評価に一喜一憂しやすく、自分を客観的に見つめることが難しい年代でもあります。

 教育現場でも、SNS上での人間関係が学校生活に影響を及ぼす場面は少なくありません。特に気になるのは、「比較」の問題です。SNSを開けば、自分より優れた成績や才能、容姿、生活を発信する人が無数に目に入ります。比較する相手が身近な友人だけではなく世界中へと広がることで、「自分はかなわない」という敗北感や無力感を抱く子どももいます。このような状態が続くことは、自己肯定感の低下や孤独感、さらにはメンタルヘルスにも影響を及ぼしかねません。

 一方で、SNSそのものを悪者と考えるべきではありません。学びを広げたり、自分の考えを発信したり、多様な価値観に触れたりする機会を与えてくれることも事実です。重要なのは、「使うか、使わないか」ではなく、「どう使うか」という視点です。

 学校には、情報モラル教育だけでなく、子どもたちが他者と比較するのではなく、自分自身の成長を見つめられる力を育む役割があります。また、家庭と学校が連携し、睡眠や生活習慣を含めたデジタルとの付き合い方について継続的に対話することも欠かせません。

 世界では未成年者のSNS利用を規制する動きが広がっています。しかし、規制だけで子どもたちを守ることはできません。必要なのは、科学的な知見に基づいた教育と、大人が伴走しながら子どもたちの判断力を育てることです。

 AISNSが当たり前となる時代だからこそ、教育の使命はますます重要になります。子どもたちが情報に振り回されるのではなく、自ら考え、適切に判断し、他者と健全につながる力を育むこと。それこそが、これからの学校教育に求められる重要な視点であると考えています。