校長ブログ

CBT化

2026.10.27 トレンド情報

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10月27日

 司法試験が初めてCBT(Computer Based Testing)で実施されたというニュースは、単なる試験方法の変更ではありません。教育の評価そのものが大きな転換点を迎えていることを示しています。医師国家試験でも導入が検討されており、日本の最難関試験が「紙と鉛筆」の時代から新たなステージへ進もうとしています。

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 CBTというと、紙がパソコンに変わるだけと考えられがちです。しかし、本質はそこではありません。大切なのは、何を測るのかが変わることです。 

 従来の試験は、知識をどれだけ正確に再現できるかを測ることに優れていました。一方で、実社会では知識を覚えているだけでは十分ではありません。必要な情報を整理し、判断し、表現し、課題を解決する力が求められます。CBTは動画や音声、シミュレーションなど多様な形式を活用できるため、これまで測ることが難しかった思考力や判断力、表現力まで評価できる可能性を持っています。

 実際、医師国家試験では内視鏡の映像を見て異常を判断する問題が試行されています。これは暗記では対応できません。現場で求められる力を、そのまま評価しようという発想です。教育が目指すべき方向も、本来はこちらではないでしょうか?

 もちろん、CBTにも課題はあります。日本では「80点なら80点」という素点への信頼が根強く、受験者ごとに異なる問題で能力を測るIRT(項目反応理論)への理解はまだ十分とは言えません。しかし、本当に公平なのは同じ問題を解くことではなく、同じ能力を正しく評価できることのはずです。

 学校教育でも、テストの点数だけで学力を語る時代は終わりつつあります。子どもたちがどのように考え、どのように学び、どのように課題を解決したのか。そのプロセスまで見取る評価へと転換することが求められています。

 AIが急速に普及する今、知識を記憶する価値は相対的に小さくなっています。だからこそ、教育は知っているかではなく、知識をどう活用するかを育てなければなりません。試験は教育の鏡です。試験が変われば、授業も変わり、学びも変わります。CBTの導入はデジタル化の象徴ではありますが、その本当の意味は評価の進化にあります。教育の未来を考える上で、私たちは試験の形式ではなく、子どもたちにどのような力を育てたいのかという原点を、改めて問い直す必要があるのではないでしょうか?