校長ブログ
企業が評価する大卒生
2026.10.06
大学進学研究
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10月6日
『企業が評価する大学ランキング』(日経新聞社と日経HR)を読むと、ランキングそのものもさることながら、企業が卒業生を評価する視点に、これからの学校教育への重要な示唆が数多く含まれているように感じます。

企業が高く評価しているのは、「知力・思考力」「行動力」「コミュニケーション能力」「成長力」という四つの力です。どれも知識量だけでは測ることができない資質であり、学校教育が長年目指してきた「生きる力」と重なる部分が少なくありません。
例えば、一橋大学は学生一人ひとりに寄り添うキャリア支援を継続し、卒業生自身が後輩を支援する文化を築いています。また、西南学院大学では学生が自ら課題を設定し、社会課題の解決に挑戦するプロジェクトに大学が資金を提供しています。東北大学では企業との共創を通して研究成果の社会実装を学ぶ機会が充実しています。これらに共通しているのは、「教える大学」から「挑戦を支える大学」への転換ではないでしょうか。
学校教育においても同じことが求められていると考えています。教師が答えを教えることはもちろん大切ですが、それ以上に、生徒自身が問いを立て、仲間と協働し、試行錯誤を重ねながら新たな価値を創り出す経験を積むことが重要です。そのためには、教科の学びと社会との接点を意識したカリキュラム・マネジメントが欠かせません。探究学習や国際交流、ICTを活用した協働学習、地域や企業との連携など、一つ一つの教育活動が単独で存在するのではなく、生徒の資質・能力の育成という共通の目的に向かって有機的につながっていることが重要です。
学校が目指すべきは、大学進学という一つの通過点だけではありません。その先の社会で活躍し、学び続ける人材を育てることです。企業が評価しているのは、まさにそのような「伸び続ける力」を備えた卒業生なのだと思います。
AIの進化によって、知識そのものの価値は急速に変化しています。しかし、自ら問いを立て、他者と対話し、新しい価値を創造する力は、これからも決して色あせることはありません。
学校教育は未来を予測することはできません。しかし、どのような未来にも対応できる人を育てることはできます。そのために、私たちは日々の授業と学校づくりを問い直し、生徒一人ひとりの可能性を信じながら教育を進めていきたいと思います。
ランキングの順位以上に大切なのは、その大学でどのような学びを経験し、どのような人として成長したかです。そして、それは大学だけで完結するものではありません。中学校、高等学校で積み重ねた学びが、その後の人生の土台となります。だからこそ、学校教育に携わる者は、「今」の学びと「未来」の社会を結ぶ架け橋であり続けたいと思います。