校長ブログ

定員割れの先にある、大学の本当の価値

2026.10.29 大学進学研究

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10月29日

 私立大学の定員割れが改善しています。2026年度は、四年制私大全体の入学定員充足率が102.7%となり、定員割れ大学の割合も46.2%まで低下しました。18歳人口の一時的な増加や大学進学率の上昇、修学支援の充実などが背景にあります。

私立大学の未来を考える教育インフォグラフィック.png

 しかし、ここで「大学経営が改善した」と捉えるだけでは、本質を見誤るのではないでしょうか?

 少子化の大きな流れは変わりません。むしろ2030年代半ば以降、18歳人口はさらに減少します。今後問われるのは、「学生を集められる大学」ではなく、「なぜ、この大学で学ぶのかを説明できる大学」です。

 特に地方大学や小規模大学には、規模や立地による構造的な不利があります。大都市圏の大規模大学は知名度を高めやすく、受験生を集める力もあります。一方、小規模大学には、教員と学生の距離が近く、一人ひとりの学びを丁寧に支える強みがあります。地域の医療、福祉、教育、産業を支える人材を育成している大学も少なくありません。

 だからこそ、偏差値や知名度だけではなく、「学生がどのように成長したのか」「社会でどのような役割を果たしているのか」という教育の成果を、社会が正しく評価する仕組みが必要です。

 学校経営の視点から考えても、重要なのは「募集」から「教育価値の創造」への転換です。大学も学校も、選ばれるために広報するだけではなく、どのような人材を育て、社会に何を還元するのかを明確にする必要があります。

 大学の数を減らす議論が進む今だからこそ、減った後に、どのような高等教育を残すのかを考えたいと思います。学位を得ることだけが学びのゴールではありません。変化する社会の中で、自ら問いを立て、他者と協働し、学び続ける力を育てる。その教育価値こそが、これからの大学の「実力」になるのではないでしょうか?