KYG教育研究所(校長ブログ)
―教育を学校の中だけで考えない―
大学全入時代に問われる進路選択の質
2026.11.06
大学進学研究
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11月6日
少子化が進み、「大学全入時代」といわれる現在、大学受験を取り巻く環境には、一見すると矛盾した現象が起きています。大学への進学機会が広がる一方で、浪人生が増え、なかでも2浪生は前年比1.5倍となりました。

背景には、大学入試そのものの構造変化があります。総合型選抜や学校推薦型選抜が拡大し、一般選抜の比率は低下しています。多面的な評価を重視する方向性には意義があります。高校時代の探究活動や主体的な学びを大学での学修につなげるという考え方は、これからの高大接続において重要です。
しかし、制度の多様化が、必ずしも受験生の負担軽減につながっているとは限りません。一般選抜を目指す生徒にとっては、受験機会の確保と合格可能性を高めるため、出願校を広げざるを得ない状況も生まれています。その結果、「安全校」への出願が増え、本来その大学を第一志望としていた生徒にも影響が及ぶという連鎖が起きています。
学校現場に求められるのは、単にどの大学に合格したかを追う進路指導ではありません。生徒一人ひとりが、自分は何を学び、どのような社会をつくる側になりたいのかを考え、その学びに最も適した進路を選択できるよう支援することです。
そのためには、高校での探究、教科の学び、キャリア教育を分断せず、大学での学修や将来の社会参画までを見通したカリキュラム・マネジメントが不可欠です。大学に入ることをゴールにするのではなく、「大学で何を学び、社会でどう生きるか」を起点に進路を考える。大学全入時代だからこそ、改めて進路選択の質を問い直す必要があります。