校長ブログ

学校文化の変容①

2022.02.12 EdTech教育
2月12

 コロナ禍において、子供たちの家庭学習のあり方が変容せざる得なくなる中、文科省は教科書に基づく学習スケジュールの下、プリントやNHKEテレ等のテレビ番組、ICT教材、インターネットやテレビ会議システムを活用した双方向型の指導展開を例示しました。同時に、学習記録のノートやレポート等を提出させ、小テストを行うといった学習評価の事例も示しました。

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 コロナ禍における休校期間中は、当然の成り行きとして、ウェブ会議ツールを使って授業動画を組み合わせ、家庭にいる生徒にライブ配信を行う同期型オンライン授業が中心となりました。これは、生徒が教師の説明をリアルタイムで視聴し、質疑応答を行う、理解度確認のためのテストを受ける、学習アドバイスを受けるというものです。しかし、登校が可能になり、ある程度、学びの選択が可能になると、デジタル教材をウェブサイトにアップし、予備校講師などの映像授業と組み合わせて、自分の都合のよい時間にアクセスして積み残しをフォローアップする非同期型オンライン学習が主流となります。

 生徒たちが通っている(いた)学習塾や予備校には、通常授業の代替として、オンライン講座を開講する機関と教室をもたず、常時オンライン講座を展開する機関があるようです。Z会グループのオンライン学習塾「アオイゼミ」の調査によれば、長期休校中に自宅で取り組んだ学習は「学校の宿題」が78%と最も多く、「オンライン授業」(68%)、「市販の教材や参考書」(48%)、「学習アプリ」(29%)、「塾の宿題」(29%)と続き、約7割の生徒がオンライン授業に取り組み、8割以上が今後もオンライン授業を「継続したい」と回答しているとのこと。メリットとしては「自宅で勉強できる」(86%)、「自分のペースで勉強できる」(71%)、デメリットとしては「質問ができない」(37%)、「スマホやタブレットなどの通信機器の整備が必要」(35%)という結果になっているそうです。

 With/Afterコロナの時代、本校ではカリキュラム・マネジメントの下、EdTech教材をツールにした個別最適化学習(アダプティブ・ラーニング)を推進しています。2021年度から中学は「デキタス」、高校は「スタディサプリ」「Qubena」等を活用した教育実践を試みております。生徒たちの様子を見ていると、想像以上に慣れが早く、かなり上手に使いこなしています。相互授業参観を通じた「教え方の学び合い」は生徒のモチベーション維持、定期考査・模試分析会を通じたデータに基づく担任のコーチングは学習習慣の定着に少なからず寄与しています。非同期型オンライン学習の成否は、"やりきる"姿勢とPDCAサイクルにつきますが、「新しい生活様式」に根差したものにしなければならないと思っています。