校長ブログ

地域と共に創り上げるスポーツクライミング部

2025.08.07 クラブ・生徒・教職員紹介

8月7日

 本校には、今から3年前、「地域移行」という新たな形で創部された部活動があります。それがスポーツクライミング部。運動部としては一見珍しく感じられるかもしれませんが、実はこの創部の背景には、地域・家庭・学校が三位一体となった物語があります。

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 始まりは一人の生徒の「登りたい」という純粋な思いでした。たった一人の部員と、経験豊かな外部指導者、そして保護者の熱意。その小さな一歩が、今では部員13名、さらには神戸市ともつながる持続可能な活動へと発展しました。

 特筆すべきは、保護者の方々のご尽力です。本校では、クラブ活動も生徒の「探究」の場と捉えています。自ら問いを立て、社会との接点を見出しながら、学びを深める。それは、スポーツクライミングという競技においても同じです。競技力を高めるだけでなく、運営や連携体制の構築にも主体的に関わる。保護者の方々は、単なる応援者ではなく、まさに「共創者」として、本校の教育活動を支えてくださっています。

 やがて活動は地域に広がり、神戸市との協議を経て、地域クラブとしての位置づけが明確になり、NPO法人も設立されました。「地域移行」という言葉だけを聞けば、部活動の"外注化"のようにも捉えられがちですが、本校においてはむしろ、"地域と共に創る"という価値が前面に出ています。

 部員たちは、放課後や週末にクライミング施設で汗を流しています。中には、全国大会に出場するほどの実力をもつ高1男子生徒も在籍しており、部員たちは彼の背中を追いながら、自らの目標に向かって挑戦を続けています。

 スポーツクライミングは、壁を登る競技であると同時に、自分自身の限界と向き合い、超えていく「内なる探究」の営みでもあります。それは、本校が掲げる「学習者自律の育成」という方向性とも深く響き合っています。誰かが道を切り拓くと、そこに人が集まり、やがて流れが生まれる。スポーツクライミング部の歩みは、本校の生徒一人ひとりの可能性と、地域との協働によって紡がれる未来の教育の姿を示してくれているのです。

活動の成果や記録は、以下のリンクよりご覧いただけます。
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