校長ブログ

人口減に対する自治体の努力-兵庫

2023.08.03 トレンド情報
8月3日

 尼崎市が南部地域の活性化に動き出しています。高齢化などで、市の人口は減少傾向にあるものの、阪神電気鉄道と連携し、阪神タイガースの2軍を誘致するなど、官民で賑わいづくりに力を入れるとのこと。約3,600席の観客席を持つ新球場や室内練習場などを備え、完成年度は2025年春だそうです。

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 尼崎市の人口は1970年代の約55万人をピークに減少しており、特に、南部が目立ちます。市のアンケート調査(2020)によれば、転出理由は「治安・マナーが悪い」という回答が最も多かったとのこと。そこで、今後の街づくりの方向性が民間の地力を活用しつつ、若者や女性に来てもらえる地域創造。移動サービスに加え、子育てに適した環境と景観の中、地域住民が新たな価値を体験できる場となることが期待されています。

 神戸市では、人口増加期には山地を切り開いてニュータウンを開発、1992年に初めて人口150万人を超え、1995年の阪神大震災からの復興とともに回復の兆しを見せ始めていました。しかし、高齢化や若年層の流出で2011年をピークに人口が減少。人口減は神戸市に限ったことではありませんが、今後、独自の人口推計に着手、計画的な施設整備で街の魅力向上に努め、大企業に加えて、情報通信をはじめとする新たな産業や人材の集積を進めていくそうです。これまでも次世代産業の創出(校長ブログ2021.12.29)、グローバル化対応(校長ブログ2022,11.24)、三宮の再開発(校長ブログ2021.5.18校長ブログ2021.12.30)、元町商店街の活性化(校長ブログ2023.2.27)など、積極的な取り組みがなされています。

 県南西部の播磨地域では、脱炭素社会に向けた取り組みが進められています。この地域に生産拠点がある企業が水素の利活用を計画しているのに加えて、港湾全体で温暖化ガスの排出実質ゼロを目指す「カーボンニュートラルポート(CNP)」計画を官民で策定、脱炭素の先進地になることが期待されています。また、欧米やアジアからのインバウンドも戻りつつあり、観光スポットの姫路城は、世界遺産登録30周年記念事業に向けて、多くのイベントを企画しているようです。

 人口減少はどこでも同じ。大切なのは英知の結集、つまり、知恵の出し合いです。子育て支援や移住支援など、自治体の努力を称賛しつつ、学校も未来の日本を担う子供たちを育てる世界基準の教育を展開する学校づくりに邁進することこそが最大の責務だと思っています。